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「小児矯正」について

みなさんこんにちは。藤井寺市のなんこう歯科クリニック、院長の南光です。

 

連日暑い日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 新型コロナウイルスもそうですが、熱中症にもお気を付けください。

 

今回は『小児矯正』について記載したいと思います。全顎矯正には大きく2つあります。全て永久歯が生えそろってから行う「成人矯正」(「二期矯正」や「二期治療」と言われたりもします)と、乳歯と永久歯の混在する時期から行う「小児矯正」(「一期矯正」または「一期治療」)です。前者は機能や審美の回復を目的とするのに対して、後者は自然な成長発育を促進することを目的としています。

 

上顎骨と下顎骨で成長する時期は少し違います。下図は「スキャモンの成長曲線」というグラフです。どの組織が、いつ、どれくらい成長するかを表したものです。脳頭蓋にくっついている上顎骨は神経系に近い早い成長を行うのに対し、下顎骨は一般型の成長を行います。つまり、上顎骨が先に大きくなって、その後に下顎骨が大きくなります。

 

しかし、次のような反対咬合(受け口)のような患者様の場合、上顎骨が先に大きくなるのですが、上顎の歯が下顎の歯に引っ掛かり、上顎骨は大きな成長ができません。その後、下顎骨が成長するので、結果としては反対咬合がひどくなります。

 

小児矯正では、このような場合に、いち早く反対咬合を改善することで通常の成長発育を促します。小児矯正の適応としては、おおよそ7~10歳(個人差はあります)くらいになります。逆に、成長発育が終わってしまうと小児矯正の意味はなく、成人矯正からの治療になります。また小児矯正でも、すべての問題が解決できるわけでなく、小児矯正のあと、さらなる機能性や審美性を求める場合は成人矯正が必要になることもあります。

 

小児矯正で使われる矯正装置は様々あります。当医院では主に、上顎にはクワド・ヘリックス、下顎にはバイ・ヘリックスという装置を使っていますが、個々の患者様によりそれら以外の装置を使うこともあります。

 

 

小児矯正は治療の時期が決まっています。その時期を見逃すと、後々、骨格のズレや咬み合わせのズレなどの大きな問題を引き起こすこともあります。気になる方はお気軽にご相談下さい。