みなさんこんにちは。藤井寺市のなんこう歯科クリニック、院長の南光です。

新型コロナウイルスが猛威を振るっています。早く終息してほしいものです。そこで、今回は『肺炎予防』について考えてみたいと思います。

２０１８年（平成３０年）に厚生労働省から発表された人口動態統計月報年計（概数）によると、日本人の死亡原因の第１位は悪性新生物（腫瘍）、第２位は心疾患（高血圧性を除く）、第３位は老衰、第４位は脳血管疾患、第５位に肺炎となっています。しかし、肺炎はつい最近までは第３位ないしは第４位でした。そして現在でも、年齢によっては第２位や第３位となっていて、高齢者になるほど高くなる傾向にあります。

 

 

肺炎は気道を通じて侵入した細菌やウイルスが肺臓内で増殖して、炎症を引き起こした状態のことを言います。「誤嚥性肺炎」という言葉を聞かれたことがあると思いますが、食べ物や飲み物などの本来食道（消化器）に入っていくものが、誤って気道（呼吸器）に入って起こる肺炎のことを言います。高齢者になると、嚥下障害（うまくものを飲み込めなく、気道に入ってしまう障害）を伴うことが多く、また口腔内が不衛生であることも相乗じて、誤嚥性肺炎を起こす割合が高くなります。したがって、高齢者の死亡原因の上位に肺炎が入っています。

 

　『口は万病の元』ということわざがあります。口は消化器系の入り口でもあるとともに、呼吸器系（気道）の入り口でもあります。その呼吸器系の入り口である口腔内を清潔にしておくことで、風邪予防やインフルエンザ予防、そして肺炎予防になります。

 

２０１９年に東北大学の相田先生が発表した研究に

「入れ歯の手入れを毎日しないと 過去１年間の肺炎のリスクが１.３倍高かった」

というものがあります。　また、少し昔になりますが１９９７年に徳島大学の三宅先生が発表した論文では

「歯科医師と歯科衛生士による積極的なプロフェッショナル・オーラル・ヘルス・ケアの維持は, 高齢者の齲蝕や歯肉炎などの口腔感染症の予防に役立つだけでなく、呼吸器感染症を含む種々の全身感染症を軽減する疾病予防につながる可能性が期待できる」

とあります。

 

これを機に、虫歯や歯周病だけでなく、風邪予防や肺炎予防という意味も含めて、歯科医院での口腔清掃を受診されてはいかかでしょうか？

 

何かご不明なことなどがございましたら、おたずねください。